買ったばかりのiPhoneが熱いと、ついつい初期不良を疑ってしまいますよね。でも必ずしもそうとは限りません。
ハードウェアではなくソフトウェアの問題で熱くなることもあるからです。
そうはいっても、本当に初期不良の場合もあるので注意が必要です。ちなみに熱いだけでも初期不良と認められれば、無料で交換・修理してもらえます。ただ、熱いだけで初期不良扱いになるケースは少ないです。
そんなわけで、今回は買ったばかりのiPhoneが熱くなる原因と対処法を解説します。
iPhoneの右側が熱いのは初期不良とは限らない
「買ったばかりのiPhoneの右側が熱い」という場合、それはCPUの発熱です。
iPhoneは表面から見て右側(背面にカメラがある側)にCPU基盤などを含めたロジックボードがあります。下の図(iPhoneXのX線写真)のオレンジで囲った部分がロジックボードにあたります。
出典:IFIXIT
モデルによってロジックボードの形状・サイズは微妙に異なりますが、右側にあることは共通しています。
アプリ起動中はCPUが発熱するため、ゲームをしたり動画を見ている最中はロジックボードのある右側が少し熱を帯びます。そうは言っても温かくなる程度です。
持っていられないほど熱い場合は注意が必要です。iPhoneの右側が異常に発熱する原因を以下に示します。
アプリを複数起動している
どんなに容量の大きいゲームアプリでも、単体でiPhoneが異常に熱くなることは基本的にありません。
ただ、バッググラウンドで複数のアプリを起動していたり、ゲームアプリと配信アプリを同時に使用していたりすると、iPhoneが異常発熱することがあります。
(基本的にiPhoneではそうならないように設計はされていますが…)
使わないアプリは閉じてしまいましょう。iPhoneXの場合はホーム画面を上にスワイプすれば、以下のようにバッググラウンドで起動中のアプリのタブが一覧表示されます。
タブを上にスワイプすればアプリを閉じることができます。
iOS13の不具合
「iOS13になってからiPhoneが異常に熱くなった」という不具合が一部の端末で報告されています。原因としてはiOS13で追加された新機能「最適化されたバッテリー充電」と「ダークモード」が有力視されています。
iOS13でiPhoneの右側が熱い場合は、とりあえずこの2つの機能をOFFにしてみてください。
最適化されたバッテリー充電
最適化されたバッテリー充電は過充電を防ぐ機能です。機械学習により利用者の使用時刻の傾向を把握して、使用開始時刻にちょうどバッテリーが100%になるように充電速度をコントロールしてくれます。バッテリーには優しい機能ですが、機械学習によるCPU発熱のせいか、これをONにしているとiPhoneが熱くなる不具合が一部で報告されています。
最適化されたバッテリー充電をOFFにするには、iPhoneの設定アプリを開いて「バッテリー」を選択してください。
「バッテリーの状態」をタップしてください。
一番下にある「最適化されたバッテリー充電」のボタンをタップしてOFFにしてください。
ダークモード
ダークモードは黒基調の画面にできる機能です。
一見すると電力消費も少なくて発熱とは程遠い機能にも思えるんですけど、なぜかダークモードをONにするとiPhoneが熱くなる不具合がTwitterなどで多数報告されています。
ダークモードの設定は、設定アプリの「画面表示と明るさ」から変更できます。
ライトを選択すればダークモードは解除されます。
ロジックボードの初期不良
iPhoneの右側が熱くなるだけでは基本的に初期不良とは認められません。なぜなら「熱くなる原因」がたくさんあるからです。
しかし、発熱以外にも以下のような不具合がある場合は、ロジックボードの初期不良である可能性があります。
- 突然再起動する
- 電源がつかない
- 画面がフリーズする
- ネットに繋がらない(ずっと圏外)
特に以下のモデルは、Appleが公式に「ロジックボードに不具合がある」と発表しています。
iPhone7
iPhone7のうちモデル番号「A1779」の端末では、ロジックボードの初期不良により、ネットに繋がらなかったりデータ通信エリア内にもかかわらず「圏外」と表示される不具合があるとAppleが発表しています。
モデル番号はiPhoneの裏面の下の方に「Model~」と明記されています。該当モデルはAppleStoreで無償交換の対象でしたが、無償交換期間はすでに終了しました。
iPhone8
一部のiPhone8端末では、ロジックボードの欠陥により、突然再起動したり画面がフリーズするといった不具合が報告されています。Appleも公式に認めており、該当端末はAppleStore・正規サービスプロバイダで無償で修理してもらえます。
無償修理の対象端末かどうかは、以下のページでシリアル番号を入力すれば確認できます。
シリアル番号がわからないという人は、iPhoneの設定アプリ開いて「一般」をタップしてください。
次に「情報」をタップしてください。
これでシリアル番号が確認できます。
シリアル番号のところを長押しすればコピーできるので、Appleのページにコピペしてください。
iPhoneの左側が熱いのは初期不良の可能性あり
「買ったばかりのiPhoneの左側が熱い」という場合は、バッテリーによる発熱が原因です。iPhoneはどのモデルも表面から見て左側にバッテリーがあります。
◆iPhone8
出典:IFIXIT
iPhoneX/XS/XS Max/11 Pro/11 Pro MaxはバッテリーがL字型っぼくなっていますが、大体左側に固まっています。
◆iPhoneX
出典:IFIXIT
充電中もiPhoneは熱くならないのが普通
iPhoneのリチウムイオンバッテリーは熱に弱いため、iPhoneは充電中でも42~43℃程度になるように設計されています。ましてや新品のバッテリーだともっと温度は低いです。
僕のiPhoneXはもう2年くらい使ってますけど、それでも充電中は「少し温かく…なってる?」程度しか発熱しません。充電器(アダプタ)は少し熱くなりますけどね。
なので、新品のiPhoneの左側(バッテリー部分)が熱くなるってことは基本的にありません。ただし、以下のような充電の仕方をしていると熱くなることがあります。
- 非純正品の出力の高い充電器を使っている
- 直射日光が当たるなど、暑い環境で充電している
- 充電しながらiPhoneを操作している
- 熱がこもるiPhoneケースをつけて受電している
上記のような行動をしていないにも関わらず、充電中にiPhoneが熱くなる場合は、バッテリーの初期不良である可能性があります。
バッテリー交換
購入して1年以内なら、無償でバッテリーを交換してもらえます。
バッテリー交換には「AppleStore・正規サービスプロバイダへの持ち込み」と「Apple配送修理」の2つのやり方があります。どちらも事前予約が必要です。詳しい手順は以下のページをご参照ください。
⇒ AppleStoreのiPhoneバッテリー交換時間は3時間
最大容量80%以上の場合は有償?
ただし、原則として無償交換の対象は「バッテリー最大容量が80%未満」の場合です。もちろん、80%以上でも交換はしてもらえますが、有償交換となるケースが多いです(ぶっちゃけスタッフのさじ加減)。
バッテリーの最大容量はiPhoneの設定アプリから確認できます。アプリを開いたら「バッテリー」を選択してください。
次に「バッテリーの状態」をタップしてください。
すると最大容量とピークパフォーマンス性能(最大瞬間出力)を確認できます。
発熱以外にも不具合があると良い
バッテリーの最大容量が80%以上の場合、少しバッテリーが熱いくらいでは無償交換とならないケースがほとんどです。「ご希望でしたら交換いたしますが、有償交換となります。」みたいな対応をされます。
ただし、触っていられないほど熱かったり、「バッテリーの減りが異常に早い」など他にも不具合がある場合は、初期不良として無償交換してもらえる可能性が高いです。
特に「バッテリーの減りが異常に早い」は、初期不良として認められやすいのでおすすめです(おすすめってなんだ笑)。
iPhoneのホームボタンが熱いのは異常
iPhone8/8Plus以前の端末にはホームボタンがありますよね。このホームボタンがある位置にはバッテリーもロジックボードもないため、基本的にここが熱くなるってことはありません。
なので、ホームボタン付近が異常に熱い場合は、AppleStoreに持ち込めばすぐに初期不良と認められて、本体交換となる可能性が高いです。
買ったばかりのiPhoneが熱いだけでは本体交換は難しい
今回の内容をまとめます。
- 右側が熱いだけでは初期不良と認められにくい(一部のiPhone7/8は初期不良あり)
- 左側が熱い場合は、触っていられないほど熱いか、バッテリーの減りが異常に早いなどの不具合がないと初期不良とは認められない
- ホームボタンが異常に熱い場合は初期不良の可能性大
iPhoneが熱いだけで初期不良と認められるケースは少ないですが、初期不良と診断されれば無償で本体交換してもらえます。本体交換の条件や手続き方法に関しては以下の記事をご参照ください。
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