iCloudストレージ容量は余っているにも関わらず、「十分な空き領域なくてバックアップできない」とエラーメッセージが表示される場合は、一度過去のバックアップデータを削除してみましょう。
それでも駄目なら不要なデータをバックアップから外すか、ストレージをアップグレードする必要があります。
「もう面倒くさいからバックアップしなくていいや」と思うかもしれませんが、iPhoneは精密機械です。
iOSアップデートやちょっとした衝撃でデータが消える可能性があります。
消えたら困るデータが1つでもあるのなら、今回紹介する方法でストレージ容量を確保して、きちんとバックアップしましょう。
本当にiCloudストレージの容量があるか確認
「容量は余ってるのにバックアップできない」という場合、まずは本当にiCloudストレージの容量が余っているのかよく確認しましょう。
もしかしたら、iCloudではなくiPhone本体のストレージを見ている可能性があります。
iPhoneには「iCloudストレージ」と「iPhoneストレージ」があって、この2つがごっちゃになっている人が多いです。僕も最初はごっちゃになってました。iPhone初心者あるあるですね笑。
iCloudストレージとiPhoneストレージの違いがいまいちよく分からない人は、以下の記事をご覧ください。
iCloud容量に余裕があるのにバックアップできない原因と対策
さて、ここからが本題です。
iCloudストレージには余裕があるのに、なぜ容量不足でバックアップできないのかついてお話します。
出典:Appleサポート
iCloudを使っていると、「昨日までは普通にバックアップできたのに、今日になって急に容量が足りないと表示されるようになった」なんてことがよくあります。
「昨日と今日でデータ容量はほとんど変わっていないのになぜ?」って思いますよね。
その理由は、iCloudバックアップの仕組みに隠されています。
iCloudバックアップは3世代保存
iCloudバックアップでは、最新3本分のバックアップを「名前を付けて保存」しています。それ以前のバックアップは自動的に最新データに上書きされて削除されています。
つまり何が言いたいかというと、iCloudには常にバックアップデータが3つ保存されているんです。
例えば1月1日、2日、3日、4日、5日と5日連続で、午前0時に1回ずつバックアップを取ったとします。その場合、iCloud上に保存されているバックアップデータは以下のようになります。
日時 | iCloud上のバックアップデータ |
1月1日 | 1月1日(1.0GB)
【合計】1.0GB |
1月2日 | 1月2日(1.2GB) 1月1日(1.0GB)【合計】2.2GB |
1月3日 | 1月3日(1.5GB) 1月2日(1.2GB) 1月1日(1.0GB)【合計】3.7GB |
1月4日(上書き) | 1月4日(2.0GB) 1月3日(1.5GB) 1月2日(1.2GB)【合計】4.7GB |
1月5日(失敗) | 1月5日(2.0GB) 1月4日(2.0GB) 1月3日(1.5GB)【合計】5.5GB! |
3日まではバックアップデータが追加で保存されていきますが、4日にバックアップすると、1日分のバックアップデータが4日分に上書きされて消えています。
そして問題は5日です。
4日と5日にバックアップしたデータは、両方とも2.0GBでサイズは変わりません。
違うのはバックアップ3本分の合計サイズです。4日にバックアップした時点では合計サイズは4.7GBしかありません。しかし、5日にバックアップしてしまうと合計サイズが5.5GBとなります。
iCloudに無料でバックアップできる容量は最大5GB までなので、5日はバックアップに失敗して「空き領域が足りない~」というエラーメッセージが表示されます。
古いバックアップを削除しよう
データサイズは変わってないのに、急にiCloudの容量不足でバックアップできなくなった場合は、一度古いiCloudバックアップデータ(3本分)を削除してみましょう。
そうすれば容量が空いてバックアップできるようになります。
古いバックアップは簡単に削除できます。
まずは設定アプリを開いて、一番上の自分のAppleID(名前)をタップしてください。
続いて「ストレージを管理」をタップしてください。
そして「バックアップ」を選択します。
下にある「◯◯のiPhone/このiPhone」をタップしてください。
するとiCloudバックアップデータの内訳が表示されます。一番下に「バックアップを削除」という項目がありますので、それをタップしてください。
これで3世代分のバックアップを全て削除できます。
iCloud容量はほぼ空なのにバックアップできない場合
過去のバックアップを削除してiCloudストレージをほとんど空にしたにも関わらず、まだ「空き領域がないからバックアップできない」と表示される場合は、バックアップデータ1本分のサイズが5GBを超えています。
こうなると、バックアップするデータの数を減らすか、ストレージをアップグレードするかの二択になります。
バックアップするデータの数を減らす方法
不要なデータをバックアップから外すのは簡単です。古いバックアップを削除した時と同様に設定アプリを開いて
- AppleID(名前)
- iCloud
- ストレージを管理
- バックアップ
- ◯◯のiPhone
このiPhone
の順にタップしていってください。
そしてiCloudバックアップデータの内訳が表示されたら、下の「バックアップするデータを選択」という欄を見てください。ここで不要なアプリやデータを選んでオフにすれば、個別にバックアップから外すことができます。
今回は一番容量の大きいフォトライブラリ(写真)をバックアップから外しました。バックアップデータのサイズがかなり小さくなったのが分かると思います↓
iCloudのストレージ容量をアップグレード
不要なデータをバックアップから外しても5GB以内に収まらない場合は、iCloudストレージ容量をアップグレードするしかありません。
アップグレードのやり方も簡単です。設定アプリを開いて一番上の自分のAppleID(名前)をタップしてください。
次に「iCloud」をタップしてください。
続いて「ストレージを管理」をタップしてください。ここまではバックアップ削除の時と同じです。
iCloudストレージの画面になったら、今度は「ストレージプランを変更」をタップしてください。
するとiCloudストレージのアップグレード画面になります。
ストレージ容量を選択して、右上の「購入する」をタップすれば、iCloudのストレージをアップグレードさせることができます。
ストレージ容量を選ぶ基準
iCloudストレージの容量を選ぶ際は、iPhoneストレージ使用量ではなく、iCloudバックアップデータのサイズを基準にして選んでくださいね。
というのも、iCloudは全てのデータをバックアップしているわけではないんです。
具体的に言うと、アプリそのものはバックアップされません。なぜなら、アプリはまたApp Storeでインストールし直せばいいからです。
アプリに関しては、購入履歴など「復元に必要なデータ」だけがバックアップされて、復元後、自動的にアプリの再インストールが始まります。
そのため、iCloudストレージの使用量は、iPhoneストレージの使用量の半分以下で済む場合がほとんどです。写真や動画をそんなに撮らない人なら、何十分の1程度の容量で済むでしょう。
間違ってiPhoneストレージ使用量を参考に容量を選んでしまうと、余計にお金を払うことになりかねません。
iCloudバックアップをしないとやばい
もしかすると
- 「バックアップ面倒くさい」
- 「機種変更するわけでもないし、今はバックアップしなくてもいいか」
と思っている人もいるかもしれません。
気持ちはわかりますが、バックアップはしといた方が良いですよ。いつデータが消えるか分かりませんから。
具体的にどんな時にデータが消えるリスクがあるのか、主な原因を以下に示します。
- ソフトウェアアップデート
- メモリ,CPU,バッテリーへの過剰な負荷
- iPhone本体への衝撃
(落とすなど)
ソフトウェアアップデートというのはiOSのアップデートのことです。iOS12以降は夜中に自動でアップデートされてしまうので、朝起きたらデータが消えていたなんてことは十分に起こりえます。
また、アプリを大量に開いていたり、充電しながらiPhoneを操作していたりすると、メモリ・CPU・バッテリーに負荷がかかって、iPhoneが故障してデータが消える可能性があります。
iPhoneは精密機械ですから、ちょっとしたことでデータが飛びます。
バッテリーを交換するだけでもデータが消える可能性があるくらいですからね。
実際AppleStoreにバッテリー交換の予約を入れると「事前にバックアップしておいてください」というメールが届きます。
別にバッテリーにデータが保存されているわけではないんですけど、それくらい繊細だということです。
なのでバックアップはしておいた方が良いですよ。
少なくともバックアップして損することはありませんから。
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