「iCloud写真」は写真をiCloudにバックアップする機能ではありません。iCloud写真はiCloudとiPhoneのフォトライブラリを同期する機能です。

「iCloud写真=iCloudバックアップ」と誤解したままiCloud写真を使っていると、撮影した写真や動画が全て消えてしまう危険があるため注意が必要です。

そうはいっても、過剰に怖がる必要はありません。きちんと仕組みを理解して使えば、iCloud写真はこれ以上なく便利な機能です。特に仕事やプレイベートでよく写真・動画を共有する人にとっては「欠かせない機能」になるでしょう。

というわけで、今回はiCloud写真について徹底解説します。

 

iCloud写真とは?

iCloud写真は、iOS8.3のソフトウェア・アップデートで追加された機能です。元々は「iCloudフォトライブラリ」という名称だったんですけれども、今は「iCloud写真」になりました。

PointiCloud写真とは、一言でいうと「写真をクラウド保存にして共有できるようにする機能」です。

 

iCloud写真がオフの場合

iCloud写真がオフの状態だと、iPhoneのカメラで撮影した写真や動画はiPhoneストレージに保存されます。そしてiCloudバックアップを作成すると、iPhoneストレージにある写真・動画のコピーがiCloudにアップデートされて保存されます。

iPhoneに保存されている写真・動画と、iCloudにバックアップした写真・動画はリンクしておらず、完全に独立しています

しかし、iCloud写真をオンにするとこの仕組みがガラッと変わります。

 

iCloud写真がオンの場合

iPhoneで撮影した写真は、iPhoneストレージには保存されず、直接iCloudストレージに保存されるようになります

iPhoneで写真を見る時は、iCloudにアクセスして閲覧することになります。iPhoneストレージにも写真を保存したい場合は、iCloudからダウンロードする必要があります。

 

iCloud写真のメリット

今までiCloud写真を使ってこなかった人からすれば、

「これ何のメリットがあるの?」
「なんでiPhoneに保存しないの?」
「普通にiPhoneで写真見たいんですけど」

って話だと思います。気持ちはわかりますよ。僕も最初はそう思ってましたから。

でも、写真をiPhoneではなくiCloudに保存することで、あなたのカメラライフはとんでもなく便利になりますよ。

 

写真を共有できる

iCloud写真を利用する最大のメリットは、同じAppleIDでiCloudにサインインしている端末間で写真を「完全に共有できる」ことです。

「共有できる」というのは単に「閲覧できる」というだけではありません。編集・削除することもできます。そして1台の端末で写真を編集すれば、全ての端末で編集が反映されます。

具体例

例えば同じAppleIDでiPhone・iPad・MacBookを利用しているとします。

iCloud写真がオフだと、iPhoneで撮影した写真はiPhoneでしか見ることができません。iPadやMacBookで写真を見るには、写真をコピーする送信する必要があります。

仮にコピーして写真を共有したとしても、各端末のデータは独立しています。iPhoneで写真を編集・削除しても、iPad・MacBookにコピーした写真にはそれが反映されません。

しかしiCloud写真をオンにしておけば、iPhoneで撮影した写真はiPhoneではなくiCloudに保存されるため、iCloudにアクセスできる全ての端末で写真を閲覧・編集できるようになります。

iPhone・iPad・MacBook全ての端末で「同じ場所に保存された同じ写真ファイル」を開くことになるため、iPhoneで写真を編集・削除すれば、それはiPadやMacBookで見た時も反映されます。

 

Googleドキュメントと同じ

Googleドキュメントやスプレッドシートを使ったことがある人は、あれを思い浮かべてもらえればわかりやすいと思います。

GoogleドキュメントはPCではなくGoogleドライブに保存されています。なので、ネットにさえ繋がれば、どの端末からでも閲覧・編集可能です。

例えば会社のPCで作成中だったドキュメントを、帰宅後に自宅のPCで完成させて、翌日会社のPCで確認することができますよね。iCloud写真は、あれと同じ仕組みです。

 

iPhoneストレージ容量の節約

iCloud写真を利用するメリットはもう1つあります。それはiPhoneストレージ容量をかなり節約できる点です。

iPhoneはカメラ性能が非常に高いため、写真は高画質で容量も大きくなります。16GBなど少ない容量のiPhoneを購入した場合は、すぐにストレージがいっぱいになってしまいます。

しかし、iCloud写真をオンにしておけば、容量の大きいオリジナル写真はiCloudに保存されます。iPhoneストレージ内に保存されるのは、写真アプリで表示される「低画質のサムネイル写真」だけです。

 

iCloud写真のデメリット

ここまでiCloud写真を絶賛してきましたが、もちろん良いことばかりではありません。不便なところもいくつかあります。

 

オフラインだと写真を見れない

まず最大のデメリットは、ネットに接続しないと写真を閲覧できない点です。

iCloudって要するにクラウド(外部のストレージ)なので、そこに保存されたデータを見るには、クラウドにオンライン接続する必要があるんです。

そのため、圏外だと写真は見れませんし、通信速度制限がかかっていると読み込みに時間がかかります。

ただし、iPhoneにも写真を保存するように設定すれば、オフラインでも見れるようになります。iCloud写真の設定については後述します。

 

iCloudストレージ容量が不足しやすい

2つ目のデメリットは、iCloudの容量をかなり食うということです。無料で利用できるiCloudストレージは5GBまでなので、写真をたくさん撮る人はすぐに容量不足になります。

容量が足りなくなるとiCloudに写真がアップロードされなくなります。そのため、状況に応じてiCloudストレージのアップグレード(有料)が必要です。ただ、有料と言っても月額130円ぽっちなので安心してください。

アップグレードをするには、まず設定アプリを開いて一番上の自分のAppleID(名前)をタップしてください。

そして「iCloud」をタップしてください。

次に「ストレージを管理」をタップしてください。

iCloudストレージの画面になったら、今度は「ストレージプランを変更」をタップしてください。

するとiCloudストレージのアップグレード画面になります。ストレージ容量を選択して、右上の「購入する」をタップしてください。

あとは決済するだけです。決済が完了したらすぐにアップグレードが反映されます。

 

iCloud写真のおすすめ設定方法

ここからはiCloud写真の設定の仕方について説明します。

iCloud写真をオンにするには、設定アプリを開いてください。そして画面を下にスクロールしていくと「写真」があるので、それをタップしてください。

すると一番上に「iCloud写真」があります。右のスイッチをタップしてオンにしてください。

iCloud写真をオンにすると、その下に2つの設定が表示されます。デフォルトだと「iPhoneのストレージを最適化」が選択されています。

 

iPhoneのストレージを最適化

これはフル解像度の写真・動画をiCloudにだけ保存するモードです。iPhoneストレージ容量が少ない人にはこっちのモードをおすすめします。

ただし、「iPhoneストレージを最適化」を選択した状態でiCloud写真をオフにすると、写真・動画が消えてしまうため注意してください。

 

オリジナルをダウンロード

もう1つの「オリジナルをダウンロード」は、iCloudだけでなく、iPhone本体にもフル解像度のオリジナル写真を保存するモードです。iPhoneストレージに余裕がある人はこっちのモードが安心です。

この状態でiCloud写真をオフにしても、ただiCloudとのリンクが切れるだけなので、iPhoneに保存されている写真は消えずに残ります。

 

iCloud写真をオンにできない原因と対処法

iCloud写真は上記の手順でオン/オフを切り替えることができますが、たまにボタンをタップしても「iCloud写真をオンにできませんでした」とエラーメッセージが表示されることがあります。

原因として一番多いのはiTunesです。

原因はiTunes

iPhoneとiTunesの写真・動画を同期した後に、iCloud写真をオンにしようとすると、上記のようなエラーメッセージが表示されます。

これは一種のバグだと思います。Appleサポートにも詳しい原因は明記されていませんが、iTunesとiCloudが競合してエラーが起きているんだと思います。

 

iTunesと写真の同期を解除

でもこの問題は簡単に解決できます。もう一度iPhoneをPCにつないで、iTunesで全ての写真・動画のチェックを外して再同期してください。

そうすれば写真・動画のiTunes同期が解除されるため、iCloud写真をオンにできるようになります。

 

iCloud写真がオンならバックアップは不要

iCloud写真をオンにすると、iCloudバックアップを作成しても写真・動画はバックアップされなくなります

なぜなら、すでにiCloudに写真・動画が保存されているからです。バックアップもしてしまったら二重に保存することになりますからね。

引き継ぎの必要なし

「え?バックアップできないの?」
「じゃあ写真は引き継げないの?」

と思うかもしれませんが、iCloud写真がオンならそもそも引き継ぎの必要はありません。なぜなら写真はiCloudに保存されていて共有できるからです。

新しいiPhoneでやるべきことは、同じAppleIDでiCloudにサインインして「iCloud写真」をオンにするだけです。そうすれば新しいiPhoneとiCloudが同期されて写真や動画を見れるようになります。

同期元はiCloud

iCloud写真は、iPhoneに保存されている写真をiCloudに同期しているのではなく、iCloudに保存されている写真をiPhoneに同期しているというのがミソです。

そのため、新しいiPhoneでiCloud写真をオンにしても、空っぽのフォトライブラリがiCloudに同期されて、iCloud写真が消えてしまうなんてことはありません

 

iCloud写真は超便利

今回の内容をまとめます。

  • iCloud写真は写真・動画をクラウド保存にする機能
  • iCloud写真をオンにすると、写真・動画はiCloudに保存されるようになる
  • iCloudに保存された写真・動画は、同じAppleIDを使っている端末で共有できる
  • 「iPhoneのストレージを最適化」にすれば、iPhoneの容量を節約できる
  • 「オリジナルをダウンロード」にすれば、iPhoneにも写真が保存される
  • iPhoneの写真・動画をiTunesと同期した後だと、iCloud写真をオンにできない
  • iCloud写真がオンなら、写真・動画のバックアップや引き継ぎは必要ない

 

著者:yushiro yushiroの記事一覧
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