最近は指紋認証やFaceIDで簡単にロックを解除できるため、パスコードをほとんど使わない人も多いと思います。まぁ、普段はそれでもいいんですけど、再起動したときだけはパスコードを入力しないとロックを解除できないので注意が必要です。
パスコードを忘れてしまうと、もう初期化する以外にロック解除の方法がなくなります。キャリアの携帯ショップやAppleStoreに持ち込んでも無駄です。だって誰もパスコードを知りませんから。
「パスコードはたった6桁だろ」
「入力しまくれば何とかなる」
と思うかも知れませんが、パスコードを連続で間違い続けるとiPhoneが操作不能になるので注意が必要です。設定によっては自動的にデータの消去が始まります。
というわけで、今回はiPhoneのパスコードを忘れた場合のロック解除方法について解説します。
パスコードの入力チャンスは11回まで
第三者から利用者の個人情報を守るため、iPhoneはパスコードを連続で間違えるとロックがかかる仕様になっています。
一定時間操作できなくなる
4回目までは大丈夫なんですけど、5回以上連続で失敗すると一定時間iPhoneが操作不能になります。操作不能時間は失敗回数を重ねるごとに長くなっていきます↓
5回失敗⇒1分間使用不能
6回失敗⇒5分間使用不能
7回失敗⇒15分間使用不能
8回失敗⇒15分間使用不能
9回失敗⇒1時間使用不能
10回失敗⇒1時間使用不能
11回失敗⇒iTunesに接続しない限り使用不能
それでも10回目までは時間を置けば、またパスコードを入力できるようになりますが、11回連続で間違えるともうiTunesに接続してiPhoneを初期化するしかなくなります。
パスコード10回連続失敗でデータ消去
デフォルトの設定のままなら、パスコードを何回間違えても勝手にデータが消えることはありません。しかし、データ消去の設定をしている場合は、10回連続で失敗すると自動的にデータが消去されてしまいます。
「データ消去?」
「そんなの設定したっけ?」
という人のために、データ消去の設定手順を紹介します。まずは設定アプリを開いて「FaceIDとパスコード」をタップします。
そのあとパスコードを入力して、「FaceIDとパスコード」の設定画面の一番下にある「データ消去」をタップしてONにします。
どうですか?
この画面、見覚えありますか?
データ消去をONにしておくと、10回目のパスコード入力失敗で勝手にiPhoneが初期化されるので、便利っちゃあ便利です。パスコードが思い出せないんじゃ、どっちにしろ初期化するしかないですからね。
バックアップや復元はできない
「初期化したくない」
「だってバックアップしてないし」
「今からバックアップ取る方法ない?」
と思う人もいるかもしれませんが、パスコードが分からないんじゃバックアップを取ることはできませんし、復元もできません(初期化した後なら復元はできます)。
まずロックを解除できないので、iPhoneを操作してiCloudにバックアップを取ることは当然出来ませんよね。
また、PCに接続してiTunesにバックアップを取るにしても、接続するにはiPhoneの方で「このコンピュータを信頼する」をタップしてパスコードを入力しなければいけないので、これも無理です。
パスコードが分からないともう何にもできないんです。データは諦めてください。
パスコードを忘れた場合は初期化一択
どうやってもパスコードを思い出せない場合はもう初期化するしかありません。ただ、iPhoneを操作できないため通常の初期化手順は使えません。
iCloud.comの「iPhoneを探す」を使って遠隔から初期化する方法もありますけど、そもそもiCloud.comにサインインするにはiPhoneでパスコードを入力しないといけないので、これも使えません。
となると、もうリカバリモードにして初期化するしかないんです。
リカバリモードで初期化
リカバリーモードを使った初期化手順を以下に示します。
- PCでiTunesを起動する
- PCにiPhoneを接続する
- iPhoneを強制再起動する
(リカバリモード突入) - iTunesで「復元」をクリック
1.iTunesを起動
まずはPCでiTunesを起動して、iTunesのバージョンが最新版であることを確認してください。バージョンが古くてiTunesとiOSに互換性がないと、正しく初期化できない危険があります。
最新版かどうかは、iTunesのメニューバーから「ヘルプ」をクリックして、プルダウンメニューから「更新プログラムを確認」をクリックすれば確認できます。もしバージョンが古い場合はアップデートしてください。
2.PCにiPhoneを接続
次にLightningケーブルでPCとiPhoneを接続してください。ケーブルはApple純正品を使ってくださいね。非純正品だと認識されないことがあるので。
通常は接続した後にパスコードを入力しないとiPhoneがiTunesに検出されませんが、リカバリモードの場合は必要ないので安心してください。
3.iPhoneを強制再起動
続いてiPhoneを強制再起動してリカバリモードにします。強制再起動の手順はモデルによって異なります。
iPhone7/7Plus以前の端末では、スリープボタンとホームボタンを同時に長押ししてください。
iPhone8以降の端末では、以下の手順で強制再起動できます。
- ボリューム+ボタンを1回押してすぐ離す
- ボリューム-ボタンを1回押してすぐ離す
- スリープボタンを長押しする
以下のようなリカバリモードの画面が表示されるまで、ボタンを長押ししてくださいね。
出典:Appleサポート
4.iPhoneを復元
iPhoneがリカバリモードになると、iTunes上で以下のような画面が表示されます。
出典:Appleサポート
復元とアップデートの2つの選択肢があります。iPhoneを初期化したい場合は「復元」を選択してください。
ちなみに「アップデート」はiOSだけを修復してパスコードは初期化はされないので、ロックを解除できません。
DFUモードで初期化
基本的にiPhoneが操作不能でもリカバリモードなら初期化ができます。しかし、まれにリカバリモードすら使えないことがあります。原因として考えられるのはブートローダー(起動プログラム)の破損です。
その場合は、DFU(Device Firmware Update)モードで初期化しましょう。DFUモードもiTunesを使ってiPhoneを初期化する方法ですが、リカバリモードと違ってブートローダーを使わずにiTunesと接続するため、ローダーが破損している場合でも初期化が可能です。
ただし、DFUモードはAppleが公式に認めているやり方ではありません。DFUモードにして問題が発生しても、AppleStoreで修理してもらうことはできません。注意してください。
DFUモードを使って初期化する手順は以下の通りです。
- PCでiTunesを起動
- iPhoneをPCに接続
- iPhoneを操作してDFUモードにする
- iTunesで「復元」をクリック
リカバリモードの場合とほぼ同じですね。iTunesに表示されるメッセージも全く同じです。
出典:Appleサポート
違うのはPCに繋いだ後のiPhoneの操作手順だけです。DFUモードにする方法はモデルによって異なります。
iPhone8以降の場合
- iPhoneの電源はつけておく
- 音量上げるボタンを1回押して離す
- 音量下げるボタンを1回押して離す
- スリープボタンを長押し
- 電源が切れて画面が暗くなったら、スリープボタンを押したまま音量下げるボタンも長押し
- 5秒後、スリープボタンだけ離す
iPhone7/7 Plusの場合
- iPhoneの電源を切る
- スリープボタンを長押し
- 電源がついてAppleマークが表示されたら、スリープボタンを押したまま音量下げるボタンも長押し
- 画面が真っ暗になったら、スリープボタンだけ離す
iPhone6s以前の場合
- iPhoneの電源を切る
- スリープボタンを長押し
- 電源がついてAppleマークが表示されたら、スリープボタンを押したままホームボタンも長押し
- 画面が真っ暗になったらスリープボタンだけ離す
AppleStoreに持っていっても無駄
今回の内容をまとめます。
- 再起動した後はパスコードを入力しないとロックを解除できない
- パスコードを5回以上連続で間違えると一定時間iPhoneがロックされる
- パスコードを11回連続で間違えるとiPhoneが完全に操作不能になる
- パスコードを忘れたらバックアップも取れない
- パスコードを忘れたらリカバリモードでiPhoneを初期化するしかない
- リカバリモードが使えない場合はDFUモードで初期化すべし
パスコードは本人しかわからないものです。そのため、AppleStoreやキャリアの携帯ショップに持っていってもロックを解除してもらうことは出来ません。ただ、初期化してもらうことはできるので、自分で初期化できない場合はAppleStoreに持ち込んでみるのはありです。ただ、AppleCare+に未加入の場合は、初期化にも数千円の費用がかかるので、基本的には自分で初期化することをおすすめします。
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