iCloudバックアップは基本的に上書き保存です。しかし、最大3世代分のバックアップを保存できるため、誤ってバックアップしてしまっても、古いバックアップから復元可能です。
また、複数のiPhone・iPadを同じアカウントのiCloudにバックアップしている場合、デバイスごとに分けてバックアップが作成されます。そのため、他のデバイスのバックアップに上書きされる心配はありません。
というわけで、今回はiCloudバックアップの仕組みについて解説します。
iCloudバックアップは上書き保存
誤解している人が結構いるのですが、iCloudバックアップは「追加保存」ではなく「上書き保存」です。
昔のバックアップは追加保存だった
今みたいに自動バックアップ機能がなかった時代は、みんな手動で外付けハードディスクなどにデータを移してバックアップを取っていたと思います。僕もそうでした。
繰り返しバックアップを取る際は、以前バックアップしたデータはそのままに、新しいデータのみを追加で保存するのが普通でした。その方が作業が早く終わりますからね。
そのため、手動バックアップ世代の人間は「バックアップ=追加保存」みたいなイメージを持っている人が多いと思います。
iCloudバックアップが上書き保存である理由
しかしiCloudのバックアップ機能は上書き保存です。なぜ追加保存ではなく上書き保存なのかを考えるに、恐らく上書き保存の方がシステム上シンプルだからだと思います。
「追加保存の方が簡単じゃん」
「毎回全てのデータを上書き保存してたら時間かかるでしょ?」
と思うかもしれませんが、それは人間の感覚です。システム的に考えると、追加保存の方がむしろやることが多くて大変なんですよね。追加保存の作業フローを簡単にまとめると以下のようになります。
- iPhoneデータを読み込む
- iCloud上の過去のバックアップデータを読み込む
- iPhoneにあってiCloudにはないデータのみを検索して追加保存
読み込んだり検索したり、とにかくやることが多いので、処理に時間がかかりますし、バグやエラーも発生しやすくなります。
その点、上書き保存は特に読み込みや・検索の必要がありません。単純にその時点のiPhoneの全データをiCloudにコピーするだけです。シンプルなので、すぐにバックアップが終わりますし、バグも発生しにくいです。
PointiCloudバックアップは上書き保存
間違えてバックアップを上書きした場合
さて、上書き保存となると、心配になってくるのは「間違ってバックアップしてしまった際、以前のバックアップが上書きされて消えてしまわないか」だと思います。
例えばiPhoneを初期化して復元するつもりだったのに、誤って初期化したiPhoneをiCloudにバックアップしてしまったなんてのはよくある話です(僕だけ?)。
でも安心してください。iCloudバックアップは確かに「上書き保存」ですが、実は「名前を付けて保存」もしています。
iCloudは3世代保存
iCloudには最新のバックアップが3世代分保存されます。
例えば1月1日~5日、5日連続で午前0時に1回ずつバックアップを取ったとします。すると、iCloud上のデータは以下のようになります。
日時 | iCloud内データ |
---|---|
1月1日 | 1月1日分 |
1月2日 | 1月2日分 1月1日分 |
1月3日 | 1月3日分 1月2日分 1月1日分 |
1月4日 | 1月4日分 1月3日分 1月2日分※1月1日分削除 |
1月5日 | 1月5日分 1月4日分 1月3日分※1月2日分削除 |
3日まではバックアップが名前をつけて保存されますが、4日以降は、一番古いバックアップデータが最新版に上書きされて自動削除されています。
2回までなら間違ってバックアップしても平気
iPhoneの設定アプリでは最新のバックアップ日時しか表示されませんが、復元時はきちんと3世代分のバックアップデータが表示されます。
なので、間違ってバックアップしてしまっても、2つ前までのバックアップなら復元することが可能です。
iPhoneのバックアップを上書きしたい
iPhoneの設定を変更したあとにバックアップを上書きしたいときがあります。
バックアップを上書きしたい場合は
- 古いバックアップを削除
- バックアップを実行
でバックアップを行う事ができます。
ただしこの方法は3世代分のバックアップを削除するため、さっき説明したバックアップの復元方法が使えないのでご注意ください。
設定アプリを開いて、一番上の自分のAppleID(名前)をタップしてください。
続いて「ストレージを管理」をタップして「バックアップ」を選択します。
バックアップ項目にある「◯◯のiPhone(iPhone名)」をタップしてください。
一番下に「バックアップを削除」という項目があるのでタップしてください。
これで3世代分のバックアップを全て削除できます。
iCloudへのバックアップは簡単です。まずはiPhoneの設定アプリを開いて、一番上のAppleIDをタップしてください。
次に下の方にある「○○のiPhone」をタップしてください。
するとデバイス情報が表示されます。「iCloudバックアップ」をタップしてください。
「今すぐバックアップを作成」をタップしてください。これでバックアップは完了です。
あとは待てば勝手にバックアップを作成します。
複数のiOS端末でバックアップしている場合
同じAppleIDで複数のiPhone・iPadを利用している場合、各端末のバックアップデータは、全て同じアカウントのiCloudストレージに保存されます。
端末ごとにバックアップは分けられる
しかし、同じAppleIDでも端末は区別されます。バックアップは端末ごとに別に作成されるため、他の端末のバックアップデータに上書きされる心配はありません。
例えばiPhoneAでバックアップを取った後、iPhoneBのバックアップを取ったとしても、iPhoneAのバックアップデータがiPhoneBに上書きされて消えることはないということです。
同じAppleIDで複数の端末のバックアップを取っている場合、設定アプリでiCloudストレージを確認すると、以下のように端末ごとにバックアップが分けて表示されます。
出典:タカブロ
Point同じAppleIDでも端末は区別される
iCloudの容量に注意
ただし、同じアカウントで複数の端末をバックアップしていると、iCloudストレージの容量がすぐ不足するので注意が必要です。
ちなみに、無料で利用できる容量は5GBしかありません。iCloudストレージはアップグレードすることもできますが、お金がかかります。
使わなくなった古いiPhone・iPadのバックアップはすぐに削除して、容量を節約しましょう。
iPhoneごとにAppleIDを分けた方が良い
今回の内容をまとめると
- iCloudバックアップは上書き保存
- 最新3世代分のバックアップを保存可能
- 同じAppleIDで複数の端末のバックアップを取った場合、端末別にバックアップが分けて作成される
同じAppleIDでも端末は区別されるため、他の端末のバックアップに上書きされる心配はありません。
しかし、複数の端末を1つのiCloudストレージにバックアップしていると、すぐに容量不足になります。
そのため、複数のiPhone・iPadを使用する際は、AppleIDを分けることをおすすめします。デバイスの初期設定時に「無料のAppleIDを作成」をタップすれば、IDを分けることができます。
出典:Appleサポート
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